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生理の量が多いのは体質?過多月経と貧血について知っておきたいこと

「生理の量が多いのは体質だから仕方ない」と思っていませんか?

毎月のことなので、つらさに慣れてしまっていたり、「みんなもこれくらいなのかな」と受診をためらってしまう方も少なくありません。しかし、生理の量が多い状態が続くと、貧血や日常生活の不調につながることがあります。また、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどの病気が関係している場合もあります。

今回は、過多月経の目安、貧血との関係、婦人科でできる検査や治療について、わかりやすく解説します。

過多月経とは?

過多月経とは、月経の出血量が多い状態をいいます。医学的には経血量の基準がありますが、実際には毎回の出血量を正確に測ることは難しいため、診療では「患者さん自身が困っているか」「貧血を起こしていないか」「生活に支障が出ていないか」も大切な判断材料になります。

たとえば、次のような場合は過多月経の可能性があります。

  • ナプキンやタンポンを1〜2時間ごとに交換しないと不安
  • 昼間でも夜用ナプキンを使っている
  • レバーのような血のかたまりがよく出る
  • 夜に漏れが心配で目が覚める
  • 生理中は外出や仕事、家事に支障が出る
  • 以前より明らかに経血量が増えたと感じる

「これが普通」と思っていても、実は治療で楽になるケースがあります。

生理の量が多いと貧血になることがあります

経血量が多い状態が続くと、体の中の鉄分が不足し、鉄欠乏性貧血になることがあります。鉄は赤血球に含まれるヘモグロビンの材料で、全身に酸素を運ぶために必要な栄養素です。鉄が不足すると、体に十分な酸素が届きにくくなり、さまざまな不調が出ることがあります。

厚生労働省の情報でも、鉄はヘモグロビンの構成要素であり、不足すると貧血や疲労感などにつながることが説明されています。月経のある女性は、月経のない場合に比べて鉄分の必要量が多くなります。厚生労働省 e-ヘルスネット「鉄」働く女性の心とからだの応援サイト「貧血」

次のような症状がある場合は、貧血が隠れているかもしれません。

  • 疲れやすい、だるい
  • 立ちくらみやめまいがある
  • 息切れしやすい
  • 動悸がする
  • 顔色が悪い、青白いと言われる
  • 頭痛がある
  • 集中力が続かない

貧血は少しずつ進むことも多いため、ご本人が気づきにくいことがあります。「最近疲れやすいのは年齢や忙しさのせい」と思っていたら、実は貧血だったということもあります。

過多月経の原因にはどのようなものがありますか?

過多月経の原因は一つではありません。体質のように感じていても、婦人科の病気やホルモンバランスの変化が関係していることがあります。

代表的な原因には、次のようなものがあります。

  • 子宮筋腫:子宮にできる良性のこぶです。筋腫の場所や大きさによって、経血量が増えたり、生理痛が強くなったりすることがあります。
  • 子宮腺筋症:子宮の筋肉の中に子宮内膜に似た組織が入り込み、子宮が厚く硬くなる病気です。強い生理痛や過多月経の原因になることがあります。
  • 子宮内膜ポリープ:子宮の内側にできる良性のポリープです。不正出血や経血量の増加につながることがあります。
  • ホルモンバランスの乱れ:排卵が不規則になると、月経量や月経周期が乱れることがあります。
  • 血液が固まりにくい体質や病気:まれですが、出血が止まりにくいことが原因になる場合もあります。

婦人科ではどのような検査をしますか?

過多月経で受診された場合、まずは問診で月経の状態を確認します。経血量、血のかたまりの有無、生理痛の程度、周期、妊娠希望の有無、これまでの治療歴などをお聞きします。

必要に応じて、次のような検査を行います。

  • 超音波検査:子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、卵巣の状態などを確認します。
  • 血液検査:貧血の有無、鉄分の不足、必要に応じてホルモンの状態などを確認します。
  • 子宮頸がん検診・子宮体がん検査:年齢や出血の状態に応じて、がん検診や子宮内膜の検査を検討することがあります。

検査内容は、年齢、症状、妊娠希望の有無、内診が可能かどうかなどによって変わります。不安がある場合は、診察前に遠慮なくご相談ください。

過多月経の治療にはどのような方法がありますか?

過多月経の治療は、原因、症状の強さ、貧血の程度、妊娠希望の有無によって変わります。

主な治療には、以下のような方法があります。

  • 鉄剤による貧血治療:鉄欠乏性貧血がある場合は、鉄剤で不足した鉄を補います。
  • ホルモン治療:低用量ピル、黄体ホルモン製剤などで月経量や生理痛を軽減することがあります。
  • ミレーナ:子宮内に入れる黄体ホルモン放出システムで、過多月経や月経困難症の治療に使われることがあります。
  • 原因に応じた治療:子宮筋腫や子宮内膜ポリープなどが原因の場合は、薬物療法や手術療法を検討することがあります。

「生理の量を減らしたい」「貧血を改善したい」「妊娠希望があるので治療方法を慎重に選びたい」など、目的によって適した治療は異なります。ご自身の生活や希望に合わせて、無理のない方法を一緒に考えていくことが大切です。

受診した方がよいサイン

次のような場合は、早めの婦人科受診をおすすめします。

  • 生理の量が以前より明らかに増えた
  • 血のかたまりが頻繁に出る
  • ナプキンを頻回に交換しないと漏れてしまう
  • 生理中に仕事や学校、家事が難しい
  • 強い生理痛を伴う
  • 立ちくらみ、息切れ、動悸、強いだるさがある
  • 生理以外の出血もある
  • 閉経が近い年齢、または閉経後に出血がある

特に、閉経後の出血や、急に出血量が増えた場合は、早めの確認が大切です。

まとめ

生理の量が多いことは、「体質」だけで片づけなくてもよい症状です。過多月経の背景には、貧血や子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープなどが隠れていることがあります。

また、貧血は少しずつ進むことがあり、疲れやすさ、めまい、息切れなどの不調として現れることがあります。毎月の生理がつらい、経血量が多くて生活に支障がある、貧血が心配という方は、一度婦人科で相談してみてください。

治療の選択肢は一つではありません。検査で原因を確認しながら、ご自身の体調やライフスタイルに合った方法を考えていきましょう。