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妊婦健診では何をする?体重・血圧・尿検査・超音波の意味

妊婦健診では、毎回のように体重や血圧を測り、尿検査や超音波検査を行います。

「前回も同じ検査をしたけれど、毎回行う必要があるの?」
「超音波検査では、赤ちゃんの何を見ているの?」

このように疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。

妊婦健診の目的は、赤ちゃんの姿を見ることだけではありません。妊婦さんの身体と赤ちゃんの発育を継続的に確認し、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、貧血、胎児発育不全などの異常を早期に発見することも大切な目的です。

今回は、妊婦健診で行う体重測定、血圧測定、尿検査、超音波検査などに、どのような意味があるのかをわかりやすくお伝えします。

妊婦健診は「その日の結果」だけを見るものではありません

妊娠中の身体や赤ちゃんの状態は、妊娠週数とともに少しずつ変化します。

そのため、妊婦健診では一度の検査結果だけでなく、これまでの結果と比較しながら、次のような変化を確認します。

  • 前回から体重がどのくらい増えたか
  • 血圧が上昇していないか
  • 尿蛋白や尿糖が続けて出ていないか
  • 赤ちゃんが一定のペースで成長しているか
  • 羊水量や胎盤の状態に変化がないか

一つの数値だけで正常・異常を判断するのではなく、妊婦さんの体調や症状、検査結果、赤ちゃんの発育を組み合わせて総合的に評価します。

体重測定では何を見ているの?

妊娠中は、赤ちゃん、胎盤、羊水、子宮や乳房の発達、血液量の増加などによって体重が増えていきます。

ただし、妊娠中の望ましい体重増加量は全員同じではありません。妊娠前の体格やBMI、妊娠経過、赤ちゃんの発育などによって異なります。

妊婦健診では、主に次のような点を確認します。

  • 体重が急激に増えていないか
  • 妊娠週数に対して体重増加が多すぎないか
  • つわりなどによって体重が減り続けていないか
  • 食事や水分を十分に取れているか
  • むくみを伴う急な体重増加がないか

体重が一度多く増えただけで、直ちに異常というわけではありません。食事内容、便通、衣服、測定時間などによっても体重は変動します。

一方で、短期間に体重が大きく増え、血圧の上昇やむくみなどを伴う場合には、妊娠高血圧症候群などに注意が必要です。

また、体重増加が少なすぎる場合には、つわりによる栄養不足や、赤ちゃんの発育などを確認することがあります。

体重の数字だけで判断せず、妊娠前の体格、赤ちゃんの発育、血圧、尿検査などを含めて総合的に評価します。

血圧測定では妊娠高血圧症候群を確認します

妊娠中に特に注意したい病気の一つが、妊娠高血圧症候群です。

妊娠前の血圧が正常だった方でも、妊娠20週以降に血圧が上昇することがあります。妊娠高血圧症候群は、妊婦さんの身体だけでなく、胎盤の機能や赤ちゃんの発育にも影響する可能性があります。

血圧は、緊張、睡眠不足、運動直後、来院直後などの影響で、一時的に高くなることもあります。そのため、血圧が高めの場合には、少し安静にしてから測り直したり、家庭での血圧測定をお願いしたりすることがあります。

次のような症状を伴う場合は、健診日を待たずに医療機関へ連絡してください。

  • 強い頭痛
  • 目がちらつく、見えにくい
  • みぞおちや上腹部の強い痛み
  • 急激なむくみ
  • 急な体重増加
  • 強い吐き気や体調不良

妊娠高血圧症候群では、必ずしも自覚症状が現れるとは限りません。症状がなくても変化を早く見つけられるよう、妊婦健診では毎回血圧を測定します。

尿検査では何を調べているの?

妊婦健診の尿検査では、主に尿蛋白と尿糖を確認します。必要に応じて、尿ケトン体や尿路感染の兆候などを調べることもあります。

尿蛋白

尿蛋白は、妊娠高血圧腎症や腎臓の病気を疑う手がかりの一つです。

ただし、尿蛋白が一度陽性になっただけで、妊娠高血圧症候群と診断されるわけではありません。

水分不足、体調、採尿方法、腟分泌物の混入などによって、一時的に尿蛋白が陽性になることがあります。そのため、血圧、症状、再検査の結果、必要に応じた血液検査などと合わせて判断します。

また、妊娠高血圧腎症では、尿蛋白が目立たなくても、肝機能障害、腎機能障害、神経症状、胎盤機能の低下などを伴う場合があります。

尿蛋白だけを見るのではなく、血圧や全身状態を総合的に確認することが重要です。

尿糖

妊娠中は、妊娠していないときよりも尿に糖が出やすくなることがあります。

食事や甘い飲み物を取った時間、検査までの時間などによって、一時的に尿糖が陽性になることもあります。そのため、尿糖が陽性だったというだけで、妊娠糖尿病と診断されるわけではありません。

一方で、尿糖が繰り返し陽性になる場合や、血糖値が高い場合には、血液検査やブドウ糖負荷試験などを行うことがあります。

妊娠中は、胎盤から分泌されるホルモンなどの影響でインスリンが効きにくくなり、特に妊娠後半は血糖値が上がりやすくなります。

尿ケトン体

つわりなどで食事や水分が十分に取れていないと、尿中にケトン体が出ることがあります。

尿ケトン体は、脱水や栄養摂取不足の程度を判断する参考になります。

嘔吐が続いて水分も取れない場合や、体重が減り続けている場合は、次回の健診日を待たずにご相談ください。

超音波検査では何を見ているの?

超音波検査では、妊娠週数や赤ちゃんの状態に応じて、主に次のような項目を確認します。

  • 赤ちゃんの心拍
  • 赤ちゃんの大きさと発育
  • 胎位
  • 羊水量
  • 胎盤の位置
  • 赤ちゃんの動き
  • 必要に応じて子宮頸管長や血流の状態

妊娠初期には、胎嚢の位置、赤ちゃんの人数、心拍、赤ちゃんの大きさなどを確認します。

妊娠中期以降は、赤ちゃんの頭の大きさ、腹囲、大腿骨の長さなどを計測し、推定体重や発育の経過を確認します。

妊娠後期には、赤ちゃんの発育に加えて、胎位、羊水量、胎盤の位置なども重要になります。

ただし、通常の妊婦健診で行う超音波検査と、赤ちゃんの身体を詳しく確認する胎児スクリーニング検査は、目的や確認項目が異なります。

また、超音波検査ですべての病気や形態異常を発見できるわけではありません。

赤ちゃんの向き、妊娠週数、羊水量、妊婦さんの体格などによって、見え方が異なることもあります。

超音波検査は毎回同じ内容ではありません

超音波検査では、妊娠週数によって確認する内容が異なります。

妊娠初期には、子宮内に妊娠しているか、心拍が確認できるか、赤ちゃんの大きさが妊娠週数に合っているかなどを確認します。

妊娠中期には、赤ちゃんの発育や身体の各部分、胎盤の位置、羊水量などを確認します。

妊娠後期には、赤ちゃんが順調に成長しているか、頭が下を向いているか、羊水量に問題がないかなどを確認します。

毎回すべての項目を同じ時間をかけて確認するわけではなく、その時期に必要な項目を中心に診察しています。

当院では腹囲・子宮底長を測定していません

医療機関によっては、妊婦健診で腹囲や子宮底長を測定し、子宮の大きさや妊娠経過を確認することがあります。

腹囲や子宮底長は、赤ちゃんの発育や羊水量などを推測するための参考になりますが、妊婦さんの体格や測定位置などによって誤差が生じることがあります。

当院では、妊婦健診時の腹囲および子宮底長の測定は行っていません。

当院では超音波検査を行い、赤ちゃんの各部位を計測して、発育、推定体重、羊水量、胎位などを確認しています。

医療機関によって妊婦健診の方法には違いがありますが、重要なのは、妊婦さんと赤ちゃんの状態を継続して確認することです。

問診も大切な妊婦健診の一部です

妊婦健診では、検査結果だけでなく、妊婦さんから伺う症状や生活状況も重要です。

診察時には、次のようなことを確認します。

  • 出血や腹痛の有無
  • おなかの張り
  • 水っぽいものが出ていないか
  • 胎動の変化
  • 頭痛やむくみ
  • 食事や水分が取れているか
  • 便秘や睡眠の状態
  • 服用している薬やサプリメント
  • 気分の落ち込みや不安
  • 家庭や仕事で困っていること

一見すると妊娠とは関係がなさそうな症状や悩みが、診療上の大切な情報になることもあります。

気になることがあれば、「こんなことを聞いてもよいのかな」と遠慮せずにお伝えください。

妊娠週数に応じて追加する検査があります

妊婦健診では、毎回同じ検査だけを行うのではなく、妊娠週数に応じてさまざまな検査を追加します。

代表的なものには、次のような検査があります。

  • 血液型、不規則抗体検査
  • 貧血検査
  • 血糖検査
  • B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIV、風疹などの感染症検査
  • 子宮頸がん検診
  • 腟分泌物検査
  • GBS(B群溶血性レンサ球菌)検査
  • 胎児心拍数モニタリング

検査を行う時期や回数は、妊娠経過や医療機関によって異なります。

健診で異常が疑われる場合や、持病・既往歴がある場合には、通常とは異なる時期に追加検査を行うこともあります。

健診日を待たずに連絡してほしい症状

定期的に妊婦健診を受けていても、次のような症状がある場合は、次回の健診日を待たずに医療機関へ連絡してください。

  • 月経のような出血や、出血量の増加
  • 強い腹痛
  • 規則的または頻回のおなかの張り
  • 破水を疑う水っぽい液体の流出
  • 胎動の明らかな減少
  • 強い頭痛や視覚の異常
  • みぞおちや上腹部の強い痛み
  • 急激なむくみや体重増加
  • 発熱や強い体調不良

症状が軽く見えても、妊娠週数や経過によっては確認が必要な場合があります。

受診が必要か迷う場合にも、まずはかかりつけの産婦人科へご相談ください。

妊婦健診は不安や疑問を相談する機会です

妊婦健診は、異常を見つけるためだけの場ではありません。

妊娠中の食事、体重管理、仕事、運動、薬の服用、出産準備など、気になることを相談する大切な機会でもあります。

インターネットやSNSにはさまざまな情報がありますが、妊娠経過や体質は一人ひとり異なります。

自分に当てはまるのかわからず不安になったときは、健診時にご相談ください。

まとめ

妊婦健診で毎回行う体重測定、血圧測定、尿検査、超音波検査には、それぞれ異なる目的があります。

妊婦健診では、一つの検査結果だけで判断するのではなく、次のような情報を組み合わせて妊娠経過を総合的に確認します。

  • 妊婦さんの体調や症状
  • 体重や血圧の変化
  • 尿検査や血液検査
  • 赤ちゃんの発育
  • 胎盤や羊水の状態

当院では、腹囲や子宮底長の測定は行わず、超音波検査によって赤ちゃんの発育、推定体重、羊水量、胎位などを確認しています。

妊婦健診は、妊婦さんと赤ちゃんの状態を見守り、安心して出産を迎えるための大切な機会です。

「この程度のことで相談してよいのかな」と思うようなことでも、気になる症状や不安があれば、健診時に遠慮なくお尋ねください。