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子宮筋腫が見つかったら―すぐに治療が必要?経過観察でよい場合とは

「子宮筋腫がありますね」

婦人科健診や超音波検査で、突然そう言われて驚いた経験のある方もいらっしゃると思います。

「腫瘍と言われたけれど大丈夫?」
「手術をしないといけないの?」
「放っておいたら大きくなる?」
「妊娠には影響しない?」

子宮筋腫は比較的よくみられる病気ですが、「筋腫がある=すぐに治療が必要」というわけではありません。

症状がなく、小さな筋腫であれば、定期的な経過観察だけでよいことも多くあります。

一方で、筋腫のできている場所や大きさによっては、月経量が増えたり、貧血になったり、妊娠に影響したりすることがあります。

今回は、子宮筋腫が見つかったときに、どのような場合は経過観察でよいのか、どのような場合には治療を考えるのかについて説明します。

子宮筋腫とは?

子宮筋腫は、子宮の筋肉からできる良性の腫瘍です。

「腫瘍」と聞くと「がんではないか」と心配になるかもしれませんが、一般的な子宮筋腫は良性の病気です。

子宮筋腫は30代以降の女性によくみられ、特に40代では珍しいものではありません。

筋腫は一つだけできることもあれば、複数できることもあります。また、数cm程度のものから、かなり大きくなるものまでさまざまです。

筋腫は「大きさ」だけでなく「場所」が大切です

患者さんから、

「筋腫が3cmあります。大丈夫でしょうか?」

と質問されることがあります。

もちろん大きさも重要ですが、子宮筋腫では「どこにできているか」も非常に重要です。

子宮筋腫は、大きく3つのタイプに分けられます。

粘膜下筋腫

子宮の内側、つまり月経血が出てくる子宮内腔に向かって発育する筋腫です。

比較的小さくても月経量が増えやすく、過多月経や貧血の原因になることがあります。

また、場所によっては妊娠にも影響することがあります。

筋層内筋腫

子宮の筋肉の中にできる筋腫です。

最もよくみられるタイプで、大きくなると月経量が増えたり、子宮全体が大きくなったりすることがあります。

漿膜下筋腫

子宮の外側へ向かって発育する筋腫です。

子宮の内側への影響が少なければ、ある程度大きくなっても月経量にはあまり影響しない場合があります。

一方、大きくなると膀胱や腸などを圧迫して、頻尿や下腹部の圧迫感などが出ることがあります。

このように、

「小さいから問題ない」
「大きいから必ず手術」

と単純に決めることはできません。

子宮筋腫があっても、症状がなければ経過観察できることがあります

子宮筋腫が見つかっても、

・月経量に問題がない
・貧血がない
・生理痛が強くない
・圧迫感などの症状がない
・妊娠への影響が考えにくい

といった場合には、すぐに治療をせず、定期的に超音波検査などで大きさを確認していくことがあります。

つまり、子宮筋腫は「見つかったら取り除く病気」ではありません。

特に症状がない場合には、筋腫の大きさや場所、年齢などをみながら経過観察することも一般的です。

では、どんなときに治療を考えるの?

治療を検討する大きな理由の一つは、筋腫によって症状が出ている場合です。

例えば、

・月経量が非常に多い
・血のかたまりが多く出る
・月経が長く続く
・貧血になっている
・生理痛が強い
・お腹が張る、圧迫感がある
・トイレが近くなった
・妊娠への影響が考えられる

といった場合です。

特に過多月経が続くと、少しずつ鉄分が失われて鉄欠乏性貧血になることがあります。

「月経量は昔から多いから、これが普通」と思っていても、血液検査をしてみると貧血が進んでいることもあります。

疲れやすい、息切れがする、動悸がする、立ちくらみがあるといった症状がある場合には、月経量だけでなく貧血についても確認することが大切です。

筋腫が大きいと、必ず手術になりますか?

これもよく聞かれる質問です。

筋腫が大きくても、必ず手術になるわけではありません。

治療方針は、

・筋腫の大きさ
・できている場所
・筋腫の数
・大きくなるスピード
・症状の程度
・年齢
・今後の妊娠希望

などを総合して決めます。

妊娠を希望する方では、症状がある場合や、大きさ・位置から妊娠への影響が考えられる場合に筋腫核出術を検討することがあります。

一方、症状がなく、それほど大きくない筋腫であれば、定期的に経過をみていくという選択もあります。

大切なのは「何cmだから手術」という数字だけで判断しないことです。

子宮筋腫にはどんな治療がありますか?

治療には、大きく分けて「薬による治療」と「手術などによる治療」があります。

薬による治療

過多月経や生理痛などの症状を軽くするために、薬を使うことがあります。

症状や筋腫の位置などによって、

・出血を減らす薬
・ホルモンを利用した治療
・LNG-IUS(ミレーナ)
・GnRHアナログ製剤

などが選択肢になることがあります。

ただし、多くの薬物療法は「筋腫そのものを完全になくす治療」ではありません。

特にGnRHアナログ製剤では、一時的に筋腫を小さくすることがありますが、治療を終了すると再び大きくなることがあります。

そのため、手術前に筋腫を小さくしたい場合や、閉経が近い方など、それぞれの状況に合わせて使用します。

手術による治療

手術には主に、

「筋腫だけを取り除く筋腫核出術」

と、

「子宮そのものを摘出する子宮全摘術」

があります。

今後妊娠を希望する場合には、基本的に子宮を残す方法を検討します。

また、子宮の内側に突出した粘膜下筋腫では、お腹を切らず、子宮鏡を使って子宮の中から筋腫を切除できる場合もあります。

筋腫の状態や年齢、妊娠希望によって最適な方法は異なります。

子宮筋腫があると妊娠できないの?

「子宮筋腫があると言われたので、妊娠できないのでは」と心配される方もいます。

しかし、子宮筋腫があっても自然に妊娠・出産される方はたくさんいます。

一方で、筋腫が子宮の内側へ突出している場合や、大きな筋腫によって子宮内腔が変形している場合などは、妊娠しにくさや流産などに関係することがあります。

つまり、「筋腫があるかどうか」だけではなく、

どこにあるのか
どのくらいの大きさなのか
子宮の中の形に影響しているのか

といった点が重要です。

今後妊娠を考えている方は、そのことを婦人科で伝えておくと、妊娠希望も含めた治療方針を考えることができます。

閉経したら筋腫はどうなるの?

子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けるため、一般的には閉経後には小さくなっていく傾向があります。

そのため、閉経が近い年代で症状が軽い場合には、治療をせず経過観察を選択することもあります。

ただし、

「閉経したから、もう婦人科でみなくてもよい」

というわけではありません。

閉経後にも子宮が大きくなる、腫瘤が急速に大きくなる、不正出血があるなどの場合には、ほかの病気との区別が必要になりますので、婦人科での確認が必要です。

「筋腫があります」と言われても、慌てなくて大丈夫です

子宮筋腫は非常によくみられる良性疾患です。

筋腫が見つかったからといって、すぐに手術が必要になるわけではありません。

大切なのは、

「筋腫があるかどうか」

だけではなく、

「どこにあるのか」
「どのくらいの大きさなのか」
「どんな症状があるのか」
「貧血はないか」
「これから妊娠を希望するのか」

を一緒に考えることです。

症状がなければ経過観察でよいこともありますし、月経量や貧血などで困っている場合には治療を考えることもできます。

「健診で筋腫があると言われたけれど、そのままでいいのかな」
「最近、生理の量が増えてきた」
「妊娠を考えているけれど筋腫が気になる」

そんなときは、一度婦人科でご相談ください。